昼寝のあとは、おやつにしよう。

昼寝とおやつが大好きな私のブログです

ヒルベルという子がいた

図書館で借りた本です。

ヒルベルという子がいた

ペーターヘルトリング作

上田真而子

現代のジュニア文学 偕成社

1978年初版

お借りしたのは1979年第2刷のもの。web OPACで調べたら閉架書庫にありました。

 

1974年にドイツで書かれた作品です。

福祉政策下で、養護されている9歳の子どもヒルベルの世界を描いています。知的障害があり、『問題行動』を起こすけれども、『問題行動』の裏には言葉にならない彼の豊かな精神世界や、悲しみや怒りがある。

彼に心を寄せる支援者たちにだけ、彼の心が少しわかる。だけど、彼を丸ごと包み込んでくれる家庭は彼が望んでも手に入らない。施設をたらい回しにされ、みんなの記憶から忘れられていく。

 

40年近く前のドイツの現状と、現在の日本の状況を比べてどうだろうか。

 

児童書ですから、読む時間はかかりませんがそのあとたくさん考えることができる作品です。

 

忘れがちな、弱い立場に置かれた方を忘れずに生きていけるように。

 

お題「我が家の本棚」