今朝、読み終わりました。事件で亡くなられた方のご冥福をお祈りします。また、被害に遭われた方がご快復されますように。
やまゆり園事件
神奈川新聞取材班
2020年
事件のことに始まり、『人々の意識に巣くう差別と偏見、優生思想など、社会に潜む課題をあぶり出した』(表紙折り返し部分より引用)本。
凄惨な事件の描写は、夢に出た。怖かった。どれだけ被害者の方が怖い思いをされたか。
岐阜大学の社会哲学教授、竹内章郎氏の指摘により、プラトン、ルソー、ホッブズ、平塚らいてうや、福沢諭吉など思想家たちが、一様に優生思想を持っていたことが書かれていて、印象的だった。
差別は歴史(プラトンからですからねぇ)があり、それに比して差別をなくしていこうという取り組みの歴史は浅い。
わたしの中にもたくさんの偏見や差別があるから、自覚できたときに立ち止まって考えること。
今までの自分の常識を疑うこと。
後半では、地域の学校と特別支援学校の選択が書かれていた。
座標軸で良さ悪さ(良さ悪さなんて軸は、単純すぎることは100も承知ですが)を単純に考えただけでも
地域の学校で学ぶ良さ
地域の学校で学ぶ悪さ
特別支援学校で学ぶ良さ
特別支援学校で学ぶ悪さ
があるはずで、実際は1人の子どもの中でも時々で濃淡があると思う。
何が絶対良いとか、子ども見ずして先に決めるとなると、かえって逆の差別をうむ危険がある。
障害がある、ないなんていうざっくりとした区分ではなくて、個別の、ひとりひとりの子どもにとって合うものを社会が提供していけるといいなぁ。そのために、どういう仕組みづくりが必要だろうか?
社会に潜む課題を一冊の本で考えるのは不可能。
疑問をもとに読書を進めていきたいと思う。